2017年 11月 03日
「星と海と旅するカヌー」〜 内野加奈子さんの絵本
それにしても、なぜ、私たちの祖先は、海を渡ろうとしたんだろう?
3万8000年前の、後期旧石器時代。縄文時代よりも、はるか昔。
文字通り、行く先の「見えない」航海に乗り出す決断と勇気は、現代の比ではなかったでしょう!
そんなことを考えながら、改めて開いたのが、ハワイの伝統航法を再現したカヌー「ホクレア」の元クルー、内野加奈子さんの絵本「星と海と旅するカヌー」。
それは、こんな文章で始まっている。
島のまわりに広がる大きな海。
水平線のずっとずっと先まで、なんにもない。
なのにときどき、なんにもないはずの海の向こうから、
見たこともない木が流れてくる。
はじめて見る鳥が飛んでくることだってある。
もしかしたら、あの海の向こうにも、島があるのかな。
そこに行くには、いったいどうしたらいいんだろう?
物語はそこから、森の木でカヌーをつくり、
大海原へ冒険の航海に出るストーリーへと展開してゆく。
きっと、古代人〜私たちの祖先たちも、こうした居ても立ってもいられないような好奇心と冒険心に突き動かされて、大いなる航海に旅立ったのだろう。もちろん、失われた命もたくさんたくさんあったに違いないけれども、運良く陸地にたどり着き、そこに定住した人々、そして、そこからまた次の旅に出た人たちの中で、運良く無事に安全な場所にたどり着いた人々の末裔が、いま、ここにいる私たち。
内野加奈子さんとは、鎌倉で、今年の3月まで同じ家に暮らした。いまは高知にいる彼女に、「日本人はどこから来たのか?」の本を読んだことを話したら、予想通り著者の海部先生と加奈子さんはつながっていて、海部先生によばれて国立科学博物館で一緒にイベントをしたこともある、そうだ。
「私たちの毎日も、そんな壮大な旅があってこそと思うと、なんとも不思議な感じ・・・・!」と加奈子さん。
ほんとうに、そうだよね。
「星と海と旅するカヌー」。(文・内野加奈子/絵・山崎由起子)
とてもとてもすてきな絵本です。
こちらのサイトから購入できます。
https://hoshiumi.official.ec/
(鎌倉近辺にお住まいの方は、長谷のカフェ ルォントさんでも購入できます)
by mitlan
| 2017-11-03 00:17